本研究室では、宇宙システムのダイナミクスと制御に関する研究を体系的に推進しており、その対象は7つの学問領域に分類することができます。AstrodynamicsおよびAttitude Dynamicsは、それぞれ宇宙空間における宇宙システムの軌道運動と姿勢運動の解析に関する基盤的学問分野であり、宇宙システムの挙動を解析する上での基本となります。
さらに、より高度なアプリケーションの実現に向けてStructural Dynamics、Re-entry Dynamics、Propulsion Dynamicsがあり、それぞれ柔軟構造物を備えた宇宙構造物の動的な挙動、宇宙システムの惑星大気再突入時の挙動、および宇宙空間での高機動移動・姿勢変更のための宇宙推進力学に関する学問分野となっています。発展的分野としては、On-Orbit Servicing および Planetary Roboticsの2つの総合的宇宙ロボット工学分野を対象とし、宇宙インフラ基盤の実現に向けて軌道上サービスや惑星探査ロボティクスを含む統合的宇宙ロボット工学の研究を展開しています。また、分野横断的な研究課題として、人工知能の宇宙システムへの応用や最適化計算手法に関する研究に取り組んでいます。
近年の国際的社会経済活動において,宇宙インフラ工学技術は不可欠な社会基盤であり、その重要性は高まるばかりです。混雑化する宇宙空間の保全と、将来の更なる宇宙経済の更なる発展、および人類の活動圏の拡大のために、宇宙インフラ工学技術の高度化は喫緊の課題となっています。
当研究室は、最先端宇宙インフラ工学技術の研究開発を通して、宇宙開発・利用・探査の高度化と、確固たる宇宙インフラ基盤の確立を目指し、ひいては宇宙文化圏の拡大と国際的社会水準向上の実現に取り組みます。